ジョブズは伝記で何を伝えようとしているのだろうか?

by ビジネス書の杜 on Tuesday, October 25, 2011 at 8:32am ·

ウォルター・アイザックソン(井口 耕二訳)「スティーブ・ジョブズ I 」、講談社(2011)

 

米国では100万部の予約があったというニュースをやっていたので、おそらく、今年最高の話題作ということになるのだろう。さっそく読んだ。ジョブズのことを書いた本は、おそらく片っ端から読んでいると思うが、知らないことのオンパレード。面白かった。まずは、素直な本に対する感想。

 

前にメルマガにも書いたが、Lisa、Apple I、Apple II、Macintosh、NeXT、iMac、iPodなどを使ったことがある。そのたびに、なにがしかの新鮮な感動を覚えるのだが、ジョブズに関する最大のサプライズは、死後にやってきた。伝記の制作に自ら参加したというニュースだ。

 

世界を変えたと言われるiPhoneの発明さえも、このニュースに比べると大したことではないという感じになってくる。

 

Macintoshのバックパネルにプロジェクトメンバーのサインを入れた男だから、ひょっとすると単なる顕示欲なのかもしれないが、自らの死期を悟り、残された時間で、自分のやり残した人生や仕事を託す家族や社員に、伝記という形で自分の考えを伝えようとしたのであれば、さぞかし無念だったと思われ、胸が苦しくなる。

 

しかし、この本は楽しく読める。伝記の表紙を飾るみんなを驚かすことが楽しくて仕方ない子供のような顔。懲りない男、ジョブズ満開という感じの本だ。本人が制作にかかわっただけのことはある。まだ、半分残っているので結論をするのは早いが、Iを読んでいると、この本の制作に関わったのは、Macintoshのサインと同じノリのような気がしないでもない。

 

IIも楽しみだ。


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