お気軽な人事

by 玉置沙由里(MG) on Thursday, April 14, 2011 at 8:03am ·

アメリカでは、NPOであるTeach For Americaへの就職希望者が偏差値上位校で顕著であるという。そんなわけで既存の企業もあせっており、TFAで修行した若者を受け入れる準備を整えたりしている。この流れは遅かれ早かれこの日本にもやってくるだろう。正直に言おう。もはや、高偏差値大学で、やる気のある若者は既存のシステムに飽きているのだ。そんなものよりもずっと面白くて、難問が世界中に転がっている、そしてそれらが可視化されているのだ。このような状況下にあって、なぜ、日本にいて、「家電」を作りたいと思う?「銀行」で営業をやりたいと思う?誤解を恐れずに言う。そういう仕事にもはや私たちは「燃えない」のだ。モチベートされないのだ。

 

これが正直な私の気分であるし、多かれ少なかれ私の友人達もそうなのだ。

 

もし、いま松下幸之助が生きていたらなにをするだろうか?

わたしは今日そんなことを考えていた、おそらくは、世界じゅうにある「問題」解決に励むだろう。

決して家電を作り続けることを選ぶとは思えない。

 

いま、わたしたちは、「精神性」の復興に着手し始めているのだ。そこは今、荒野である。まさに戦後日本が焼け野原であったように、なにもないのだ。そして、今の若者は、その荒野に旗を立てていく活動を始めたのだ。

 

この行動をして「馬鹿げてる」「単なる若者の戯言だろう」「そんなの無理に決まってる」

と言う人をわたしは、かわいそうだと思う。

 

このような言説を投げる人々の精神が、精神的な貧しさを生んでいるというのに。

 

いまの、若者の想像力はたくましい。本当に想像力があると思う。

カンボジアの過酷な児童労働を行っている少年少女を自分ごとのように感じられる人がいる。

既存の教育システムからドロップアウトした若者にもう一度チャンスをと燃えている人もいる。

 

なぜ、彼ら彼女らはそのような想像力をもちえたのか?

それはきっと当事者として「出会って」しまったからだろう。そして今わたしたちは「当事者」として出会わざるを得ないテクノロジーを手にしているといえる。だから、今までは無視されていた問題もどんどん目の前にあらわれて来るわけだ。そういうのを目にして、傍観し、家電を作り続けるのはやはり、モチベートされないに決まっている。

 

 

だから、これからは、どんなビジネスも、このように目の前にあらわれて来た問題を解決できるようなものになっていくに違いない。そうしないと、やる気のある若者はそんなビジネスをやりたいとは思わないだろう。

 

こういう事態に気づいている人事はどれくらいいるだろうか?

 

「昨今の若者は、NPOやらBOPやら社会貢献ばかり言ってくる」そう批判的につぶやく人事はそれに恐れを抱いたほうがいいのに。もはや、そういう若者の「気分」に乗らない「仕事」や「製品」をつくっている会社は選ばれない時代に突入していくということに。

 

 

これは誤解されることを覚悟で言っているが、上記のようなお気軽な人事がいるような企業には、自分の頭で考えずただ、就職活動しなければならない時期にきたからするというような人材しか集まってこなくなるだろう。残念ながら、今後自分の頭で考えることができ、努力できる人材は、そもそも就職活動すらする必要性を感じてはいないという恐るべき事実があることを早く知る必要がある。

 

 

わたしの観察するところ今水面下で変化が起きている、これが表面化してくるのはもうすぐだ。


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    • Makoto Okudaira この人事の話、本当だと思いますよ。結局、殿様商売の感覚のままですから「何とかして優秀な人材に来て欲しい」という気概もありませんし、NPOを求めるような人に満足感を与えられないんですよ。良し悪しの問題じゃなくて、これが今の時代の現実なんだと思います。
    • Yukito Mori 面白いですね。魅力的に見えるものが変わってきてるってことでしょうか。
    • Yuki Ishida いいね! twitterでも言及して書いちゃいました。刺激ー
    • 玉置沙由里(MG) >奥平さん
      ですね、ただこのままだと時代に追いつけなくなることは目に見えてますね。どこかで変わる必要があります。
    • 玉置沙由里(MG) >森さん
      はい、私を観察しても友人を観察してもそう結論づけるしかありませんね。
    • 玉置沙由里(MG) >石田さん
      本当にそう、みんなわたしたち世代は感じてる。これだけは確かだね。わたしは、それに正直に生きようと思うよ。あの文章はよかった!ありがとう。
    • Momoka Matsui その通りですね!もう企業に頼る時代ではなくなりました。私たちが本当に大切だったものを立て直さなければなりません。
    • 坂田隼一 ただ単純にマニュアルを消化して、金銭を貰う時代は終わったと思うし、既存の作り上げてきた環境から個人が個人が何をプラスするかの時代でないでしょうか。そのプラスも良し悪しや優劣の判断でなく、個々の価値観のプラス。別に嬉しくも楽しくもないのにロボットのようにニコニコ作り笑顔して、八方美人に振舞ってお金貰ってもただただ苦しいだけ
    • Hiroaki Nishi 働き方を変えたいと思って会社を辞める私には、そこそこしっくりくる文章。ただ、どう変えるのかはこれから検討・・・
    • Tugio Koura 偏差値は記憶箱が素晴らしいだけ。しかも記憶は過去のもの。過去の事例研修では原発事故は解決できていないではないですか。
       実社会が求めているのは人間関係をうまく奮立たせる能力ある人です。  こんなことを考えました
    • Kazuhiro Akashi 家電屋で仕事していた身からして痛感します。この業界は仕事のために仕事を作っている、生き残っていくために仕事を作っている感じ。それを経た先には何が見えるのか、結局自分にはわからなくなってしまった。。。
    • Kenji Nomura 組織の中の人と組織の外側の人がダイレクトに繋がり、信頼を形成し、仲間になると決意する。そんなことが一部のイノベーターでは既に現実になっているし、その衝撃が6月にはじまる。
    • Mariko Nakata 人事をしてた身としては、突き刺さる言葉です。なぜいまの学生はNPOや社会貢献という言葉ばかり使うのかと疑問でしたが、そもそも企業側の思考停止状態が問題ですね。当事者意識として開拓する内容は刻々と変わる。
    • Daisuke Goto ‎5〜6年前まで、家電メーカーと仕事をしていましたが、毎年2回のボーナス前に間に合わせる為に、無理やり新機能を追加する、しかも競合他社との微妙な差異をことさら喧伝していました。
      日本のそういうところを見て、ものづくりが日本のお家芸のように思い、プロジェクトXを見て感動し、というのにその頃は違和感を感じなかった。
      でもこの文章を見て、最近感じていた違和感が氷解しました。
    • Goto Mikiyoshi “「昨今の若者は、NPOやらBOPやら社会貢献ばかり言ってくる」そう批判的につぶやく人事”に感じていた違和感の正体はこれかもしれません。見えているものが違うし、「一人前」のスケールが違うのだと思います。若い人たちには何が見えているのか、敏感でいようと思いました
    • Ashida Tsuyoshi 仕事をするときに、何をやるか、よりも、誰とやるか、のほうが大切だったりします。その奥底で、このテーマも関係すると感じています。
    • Daiki Matsumura まったくその通り!と学生の立場から言わせていただきます。
      本当に燃えないんです。自分の人生を何に捧げようか必死で考えてるんです。あくまで個人的な意見ですが、「家電」や「銀行の営業」をしていた男って墓に刻まれたくないんです。死後、そんな風に語られたくないんです。
      もちろん、新しい道に行くには必死の努力とリスクテイクとちょっとの能力が求められます。そこを考えた結果、既存の道を選ぶ学生も多くいます。その選択を非難するわけにはいきません。価値観は人それぞれだし。
      でも、そうやって御社に入ってくる学生も心のなかではこんな風に考えているんです。そこに気付いてくれたらいいなぁ。
    • Tetsuya Kawamura 初めまして。ツイッターから飛んできました。自分の脳の範囲を超えた記事で、初めは読むのに必死でしたが、すごく明快で伝わるものがありました。現在就職活動中ですが、とても刺激になりました^^有難うございました。
    • Yusaku Imada 久しぶりにデモに参加、このブログで語られているコミュニケーションの動きと、連動している雰囲気を感じます。
    • Yusaku Imada デモを見ている人、デモをしている人、デモを規制しているひと、それを冷静に見る人はこの日本にいない気がします。
    • Toyofumi Todaka その通り。特に地方では、あるいは都会から地方に移住して、このことを具現化する若者が増えてくるでしょう。
    • Hiro Tamaki 過去から(少なくとも私が学生時代から)一定の割合で同様の価値観の人はいました。ただ、そのことを社会が十分に「認識できる術」が少なかったと思います。しかし、決して多数派ではなかったです(経験者談w)

      更には若者に限らず、誰でもいつからでも「同様な生き方の選択」は可能だと思います。

      後回しになりましたが、明快な主張と歯切れの良い文章!ありがとうございました。
    • Koki Yanagita 僕は間違っていなかったということがわかりました。記事読み、進む道が少し開けました。何度も共感する部分がありました。残念ながら僕の周りには僕と同じ考えの人が少ないので迷いがありましたが、記事を読みその迷いが無くなりました。