全国大会準優勝の変形コマ開発秘話
SWCN信州 中原 健司さんより
~ 「ねこパンチ2号」全国大会への想い その1 ~
SWCNは茨城場所で優勝したけど、関わりは少なかった。比重の重い材料で、重心を下げ、後は加工精度と投げ手の腕次第。研究開発担当者としての面白さは、当時あまり感じなかった。
夏のイベントのために、L18直交表を使って、コマのパラメータ設計を行った。タグチメソッドとか品質工学の手法の1つだ。実験用のコマは、スワニーさんとコガネイさんの協力で作ることができた。
仕事ではないので、実験は主に土日に行った。1個数分回るコマを回転数を3水準、誤差条件を2水準変えて実験した。実験誤差もあるため、これを何回か繰り返した。再現性の高いデータを得るために2ヶ月くらい試行錯誤した。その結果、実験用のコマはボロボロになっていた。
良い発表事例ができたので、自分的には満足していた。
信州場所には、セミナー連動で予選免除で参加させてもらった。実験の最適条件なら、そこそこ行けるだろうと思っていた。しかし、2回戦でエイトさんの低重心ゴマにあっさり負けてしまった。
遊びのはずなのに、何だろう、この悔しさは...
~ 「ねこパンチ2号」全国大会への想い その2 ~
新潟大会に向けたミーティングで、渋谷場所優勝ゴマのレプリカを回させてもらった。実験用のコマとは違う安定感があった。コマ大戦で勝つのはこういうコマなんだ。指から伝わってくる強いコマの慣性力が、今でも感覚として残っている。
その頃、事務局の水出さんがSolidworksさんの協力を取り付けてくれた。サンプルファイルを見たところ、シミュレーションでコマの回転時間を予測できそうだ。コンピュータ上でなら、材質や形状を自由に変更することができる。光造形と金属のおもりで作ったテストピースの結果と、ほぼ合っている。
これはいけるぞ!!!
新潟場所のコマのコンセプトは、低重心で粘りのあるコマ。重いコマからエネルギーをもらえば負けないコマ。
パラメータ設計の結果を使って、Solidworksを使ってチューニング。減速率と倒れる回転数は先端Rのトレードオフ関係だが、倒れにくいパラメータを優先した。
最終的には、20gを切り誤差に強いA案、25gで500rpmでも倒れないB案に絞り込み、コガネイの旋盤の神様(赤根さん)に加工をお願いした。1週間ほどで完成した2つのコマは、平らな台の上なら普通に10分以上回るすごいコマだった。
しかし、ケンカゴマには相手がいる。単独で長く回っても、勝てなくては意味がない。コガネイさんから、特徴的なコマをいくつかお借りすることができた。正直、本選に出ても上位に食い込むことが間違いないコマばかり。
右回し、左回しなどで評価し、結果的に、B案で新潟大会に臨むことに決定した。
新潟大会には、全国大会への出場権とSWCN秋のイベントの目玉としてに総取りゴマを展示したいという明確な目標があった。そのため、長野からは多くのチームがエントリーした。結果は、優勝スワニーさん、準優勝大東製作所さん、3位SWCN、4位エイトさんと上位を長野県勢が独占した。(主催の新潟の加藤さんには申し訳なかったです。)
スワニーさんの優勝には素直に喜んだ。(本音ですよ)ただ、準決勝で橋爪さんに負けていた。今でも、コマの性能ではなく、投げ手の能力だと思っている。
私の中では、コマの形状パラメータは限界まで来ていて、投げ手の力の勝負となってはコマ大戦の発展はないと感じていた。Ustream見直したときに、大会委員長の緑川さんが「変形ゴマの強いのが出てきてほしい」と言っていたのも、同じ気持ちだったのではと勝手に思っている。
SWCN秋のイベントは、夏のセミナーの内容にシミュレーションを追加した内容とした。研究した結果と新潟場所へのチューニング条件をすべて公開した。群馬から羽広さんが来てくれて、すごくうれしかった。
一方、SWCNとは別の想いもあった。私は、中堅メーカーの中堅だが、コマ大戦の魅力を社内にも展開したかった。敗者復活戦からとはいえ、全国大会への切符の端をつかんでいる。こんなチャンスを生かさないわけには行かない。
1月中旬のSWCN総選挙に向け、社内の予選会を開くための企画案をつくり、常務と上司に説明した。コマの製作や土俵などの購入に、多少の支援を頂くことを了承してもらった。その後、開発部門の部課長クラスに説明した。感触は悪くなかった。
しかし、加工する設備がないことや興味を示す若者がいないことから、企画はボツとなった。
こうなったら、何としても全国大会に出場して、興味を持ってもらうしかない!!!
こうして、「ねこパンチ2号」のへの取り組みが始まった。
~ 「ねこパンチ2号」全国大会への想い その3 ~
サクラコマの最初の試作ができた時、たまたまスワニーさんにいて、いつかこんなのを作りたいなという思いがあった。
地区予選に変形ゴマはいくつか出ていた。メディアは喜んで取り上げていた。しかし、あまり強くなかった。
その理由として、次のことが考えられる。1.開くためにエネルギーが使われてしまう。2.相手にダメージを与えるが、自分もダメージを受ける。3.一体ものに比べてバランスが悪い。
全国大会会場でお話しした方の中にも、変形ゴマのアイデアはあったと仰る方が多かった。
そんな時、名古屋大会が行われた。カジミツさんのコマは衝撃的だった。レギュレーション内であの破壊力を出せるコマを作りたかった。
名古屋大会の後、レギュレーションが変更になった。回転軸の方向が変わるコマは禁止となった。
この時、開くコマのアイデアがあったのでメンバーに相談していた。開いた後に閉じないといけないかどうかという課題であった。間接的に、コガネイの片桐さんが事務局に確認してくれた。事務局の回答は、回る前にφ20であれば、閉じなくてもOKであった。もし、強いコマが出てくればレギュレーションを変更する可能性もあるが、存在しないものを禁止することはできないという見解であった。
正直、開いたままで良ければ、相当強いコマを作る自信があったが、後でいやな思いをしたくないので、閉じる機構を検討することとした。
それでも、ルールぎりぎりの設計になることは、わかっていた。悪者になることも覚悟で構想設計を始めた。
2次元CADで作図している途中で、あることに気付いた。せっかく開くのであれば、わざわざ重いボディを狙うのではなく、軸を狙えばいい。傾向として、重いコマよりも低重心の軽いコマの逆回しが主流になってきた。
リンク構造は、最初から決まっていた。なぜか、ちゃんと開くという自信があった。大会が終わって、冷静に考えてみると、自分が担当したワンタッチオーニング(日よけ)の構造と同じであった。2.5mx3mの布をワンタッチで開けるのであるから、小さなコマが開かないはずはない。
構想案がまとまったところで、SWCN総選挙に出場しない数人のメンバーに相談した。試作にはかなりの費用が掛かりそうであったが、やってみようといってくれた。材料手配と加工は、NK精工の小林さんが快諾してくれた。
私は大雑把な設計しかできないため、詳細設計を誰かに依頼したかった。宮下設計事務所の宮下さんが引き受けてくれた。3日ほどで設計案が上がってきたので、簡単な仕事だと思っていたが、昨日、facebookに投稿されたコメントを読むと、相当苦労したようであった。
設計案は1度修正があったが、その検証にはモーション解析を多用した。1.バネが無ければ自重で開くリンク構造2.バネを入れれば閉じる構造。3.バネを入れた状態で回転を与えれば広がり、回転数が落ちれば閉じる構造
詳細部分を何度か修正して、データ提出できたのが、12月上旬。NK精工さんも仕事が立て込んでおり、部品が全部上がるのは、早くて年末。1月のSWCN総選挙に間に合うかどうか厳しい状況であった。それでも仕事の合間に、部品加工してくれたNK精工さんの社員の方には、感謝してもしきれません。
また、NK精工の小林さんはステンレス製の練習用ゴマも準備してくれた。開いた状態のコマであったが、ものすごく強かった。
これが再現できれば、絶対に強い!!!
~ 「ねこパンチ2号」全国大会への想い その4 ~
最終形状のアーム(開く羽根)の形状が、ねこの手に似ていたことから、肉球のシールでも貼ったらどうかという意見があった。もしかすると憎まれ役になるかもしれないこのコマに、かわいい名前を付けようと思った。
「ねこパンチ」の誕生である。
そうこうしているうちに、12月末。アームの材質は、硬いヘビーメタルなので加工には時間がかかる。機構の確認のため、銅の試作品が上がってきた。
準備しておいたバネとピンで部品を組立ててみる。とりあえず、ガタもなく、開閉はするようなので一安心。
ところがこのコマ、すごく回しにくい。新潟場所に出場したコマとは難易度が桁違い。
ということで、年末年始は、コマ回しの技術開発!!!
1月4日、状況報告をかねて岡谷のガストで新年会。駐車場がいっぱいの店内で、おじさんたちがコマを回すのは、お決まりのSWCN状態。
技術開発の成果もあり、そこそこ強いコマができそうという報告ができた。
1月19日SWCN総選挙の日
私は、新潟大会コマの低速回転での粘りを改善したSWCN①とねこパンチをSWCN②としてエントリーした。当日まで、どんなコマが出てくるのか知らないメンバーからは、どよめきが起こった。9個のコマが総当たりで、上位9個で決勝を行うシステムである。ここで負けてしまったら、ここまでの苦労が水の泡である。
結果は、7勝1敗で1位だった。負けたのは、エイトさんの重量コマ。ただ、粘りタイプSWCN①も同率で位となった。
1つのコマで行われた決勝戦、その後の、茨城大会上位のコマとの対戦を終えても、1つのコマは同率1位となった。粘りタイプSWCN①とねこパンチの直接対決では、ねこパンチが勝つ。しかし、重量級のコマとの対決ではSWCN①が勝つといった具合であった。
最後は、会場に集まったおよそ50人の挙手でどちらにするか選ぶことになった。私は、どちらを選ぶこともできないので、会場を出て結果を待った。
票は別れたものの、SWCNらしさで、ねこパンチと意見が多く、晴れてSWCN代表となった。しかし、まだ弱い!!!
1月30日NHK長野放送局の生放送
総選挙の時にも取材に来て頂いたが、SWCNの取り組みを「コマ相撲」として取り上げてもらえることになった。町工場に定時後集まるコマ好きの大人たち、コマを通じて広がるネットワーク。
NK精工小林さんが、放映に合わせて、総選挙で傷ついたアームをもう1セット作ってくれるという提案をしてくれた。もう1セット作るなら、同じものではなく、限界に挑みたい。
加工データのリミットまで2日、最初の設計で89gであったが、100g超えを狙いたい。アーム1個当たり5g増を目標に、限られたスペース内で、再設計を行った。
新しいアームをつけたのが「ねこパンチ2号」である。
そんな綱渡りをしながら、部品加工が終わったのが、2月2日の午前中。仮組みをして、スワニーさんにあるゲージで外径チェック完了。重量も100g越えを確認。
橋爪さんからは、大人げないと言われたが、曲者だから何をしてくるかわからない。ねこパンチだけの対策をしても、他のコマには勝てないのは彼はわかっているはず。
外観が「ねこパンチ」とは言えなくなったごついアームに貼るシール作り、回し易さを改善するスリーブなどを取り付け、当日を迎えることになる。
高校生の息子に、相手を想定した練習に付き合ってもらった。
~ 「ねこパンチ2号」全国大会への想い その5 ~
昨晩、敗者復活戦、決勝戦のUstreamを見た。なぜか、今になって震えてきた。
当日は、少し緊張し胃が痛かったが、不思議とリラックスしていていた。いすに座って、Facebookをやっている余裕があったし、たまたま横に座っていた由紀精密大坪社長と名刺交換もしていた。
今考えると、水出さん、藤森さん、小林さん達が、裏方に徹してくれたからだと思う。
ゲージチェックを終え、エントリー完了。組合せが決定したところで、対戦相手のコマを見てみた。
えっ、軸がない???
なんと、初戦の相手、アタイス工業さんのコマには軸が無いのだ。敗者復活戦には曲者が多いと思っていたが、さすがにこれは想定外で、動揺は隠せなかった。
そんな状態で、敗者復活戦が開始!!
【1回戦】アタイス工業さん
入場前に、玉那覇さんとお話しした。「お互いに当たりたくなかったですね。」
1戦目はお互いにうまく回せた。途中、アタイス工業さんのコマが横になったので勝ったと思ったが、取り直しとなった。次は、ねこパンチの勝ち。
3戦目は、アタイス工業さんが左回しできた。軸のないコマに対してはなすすべがなく、負けた。
敗者復活戦は2先勝なので、次で勝負が決まる。お互いにベストの投げ。途中、ねこパンチの回転が落ちる。簡単に終わるかと思ったが、最後の15g増量により慣性モーメントを上げた2号は粘った。勝敗は、微妙だったが軍配は、ねこパンチに上がった。
正直、この戦いが一番厳しかった。アタイス工業さんは、「絶対優勝してください」と時間ぎりぎりまで応援してくれた。
【2回戦】チーム義貞さん
投げ手の羽広さんは、夏のイベントにも参加してくれてお互いに交流もある間柄。Facebookで事前にコメントしていたが、さすがに、ねこパンチの情報は流せず。ごめんなさいm(__)m
チーム義貞さんのコマは、一番得意なタイプ。1戦、2戦と想定した戦いができました。
【準決勝】岩沼精工さん
コマ大戦では、実績のあるチーム。今回はスペシャルエントリーで参加。
雰囲気的には、どうしようもないヒール的な状態。(台風の目、SWCNの旗を見るといらっとするなど...)
1戦目は、中央に陣取るねこパンチ2号に対して、岩沼精工さんは右回りで当たらないように攻めてきた。それでも、次第に近づいてきてうまく当たってくれて、勝敗がついた。
2戦目は、タングステンの重量を生かして真っすぐ攻めてきたが、こちらも重量級。なんとか耐えて勝つことができた。
【決勝】コガネイさん
コガネイさんは、渋谷場所で優勝、そして、長野にも拠点がある企業。SWCNのコマも作ってくれている、いわば仲間。
「ねこパンチ2号」に当てたら飛ばされるという実況で有利な雰囲気。いろいろ細工をせずに、真ん中で思いっきり回せばきっと勝てる。コガネイさんのコマは軸が短いのが懸念事項。
1戦目は、コガネイさんが若干失投気味に入ってきたため短時間で勝負がついた。
2戦目は、少し長い闘いになったが、良い展開で勝つことができた。
念願の全国大会出場だ!!!
~ 「ねこパンチ2号」全国大会への想い 最終話 ~
ねこパンチ2号の情報は、テクニカルショウのアクセプト(NK精工)さんのブースで、ポスターとして2月6日から公開した。また、メンバー限定で公開していたYoutubeの動画も仲間の同意を得て6日の夜に公開した。佐藤貴之さんなどからコメントを頂いた。
対策される可能性もあったが、全国大会を盛り上げたかった。また、イベントなどを支援してくれている、Solidworksをはじめとするサポーターの皆さんへの感謝もあった。こんな良いツールをみんなに知ってほしいし、解析の精度や操作性を改善してほしいという課題も投げかけたかった。
いよいよ全国大会。
敗者復活戦で優勝し、全国大会に出られたことで、SWCNとしての目標は達成していた。こちらの手の内は、午前中の戦いですべて見られているし、相手は地区大会の優勝、準優勝の猛者たち。何をしてくるかわからない。
【1回戦】安久工機さん
安久工機さんといえば、八王子大会でジャイロ機構の付いたコマで優勝。スタンダードなコマでは来ないだろう。
回すことによって、外周にあるガードが下がり、相手の攻撃を受け付けないというアイデアゴマ。
途中、スイカのパフォーマンスはあったが、ねこパンチ2号は想定外だったようだ。
【2回戦】クリタテクノさん
第1回全国大会で3位、名古屋大会優勝の実力者。黒田さんは、UstreamやFacebookで良くみかけ、対戦できるだけでもすごいこと。
Facebookには、ねこパンチ2号に勝てるなら勝負の神がついているとの書き込みがあった。
さすがに、オーラというかプレッシャーはものすごかった。1戦目は、そのオーラに負けて失投した。名古屋場所のカジミツさんの気持ちがよくわかった。
ねこパンチ2号の投げ方は、イメージとしては野球の右バッターの外角低めに大きく曲がるカーブ。大きく右にひねりながら押し出すような感じ。
回転が足りないまま投げると開かずに倒れるし、先に押し出すと開いた状態から回すようになってしまう。完全に開いた状態から回すことができれば、すごく回し易いのであるが、間違いなくクレームがつく。そのため、回転前に開かないようにずっと訓練してきた。
2戦目、3戦目はこちらの理想的な展開となり勝利できた。
この対戦のあと、回転前に開いていると事務局から注意があった。Ustreamで確認し、この対戦では若干開き気味であったことは認めざるを得ない。しかし、それはプレッシャーによる力みで、意図的ではなかったことをわかってほしい。
【準決勝】スワニーさん
準決勝は、長野県同士の対決となってしまった。それも、一度も勝ったことのないスワニー橋爪さん。総選挙でも戦っていて、こちらの手の内は把握されている。
茨城場所のSWCNのコマも相当投げにくく、シミュレーションではとても勝てるコマではない。それでも優勝できたのは、投げ手の能力に尽きる。投げ方のバリエーションもたくさん持っていて、現場対応力は抜群。
きっと何かしてくるが、こちらは器用ではない。真ん中で思い切って投げるだけ。こちらは、迷ってはいけないコマだから。
1戦目は、コマをコントロールして直接ぶつけてきた。強い当たりだったが、何とか耐えることができて勝利。
いつも表情を変えない橋爪さんだが、迷いが見えた。会場から、橋爪コールが起こった。
2戦目は、おそらく外周を回してこようとしたようだが、それが裏目に出たようだ。失投で長野同士の戦いが終わった。
会場が一瞬静かになった。スワニー橋爪さんが何とかしてくれるという期待が無くなったという雰囲気だ。
そうこうしている間に、第1回王者の由紀精密さんが2失投によりシオンさんに敗れた。由紀精密さんのコマは、先端が尖っていて、回っているのが真ん中に落ちてこないコマであった。
【決勝】シオンさん
決勝のことは、一進一退の攻防であったこと以外あまり覚えていない。
Ustreamの映像を分析してみた。
1戦目は、力みすぎて失投。アドバンテージは、シオンさん。魔物到来の期待が会場の雰囲気が高まる。
2戦目は、当たった瞬間に弾き飛ばすことができて勝利。
3戦目は、当たり負けで敗戦。失投気味との解説もあったが、軸ではなく動体にアームが当たってたため、これでは勝てない。後でわかったことだが、重いボディの外周にひと肌のゲルを塗って衝撃を吸収する仕組みも敗因の一つだ。
4戦目は、ねこパンチ2号の回転が落ちるも、アームが閉じかけてきたおかげで、最後の一撃を与えることができ、同体で引き分け。
椙田さんから会場拍手のお願い。
5戦目は、うまくあてることができ勝利。
6戦目、7戦目は軸にぶつけることができず、力を失ったねこパンチ2号の戦いは終了した。
決勝戦では、7戦も戦っていた。敗者復活1回戦のアタイス工業さんから何回投げたんだろう。負けてメンバーに申し訳ない気持ちもあったが、すがすがしい気持ちにもなった。SWCNのメンバーは誰も私を責めなかった。
懇親会では、「すごいコマだった」「決勝戦は感動した」と皆さんから声をかけていただいた。ヒール覚悟で臨んだ大会だっただけに、本当うれしかった。
シオンの山田社長様と話をした。シオンさんは打倒クリタテクノさんを目標に重いコマを制作し大会に臨んだ。重いコマは、重心が高くなるので長く回すことができない。軸の太さは、太いと回し易いが、回転数が落ちてしまう。そのため、あまり太くできない。それでも回転数を上げるために、経営者自ら相当練習したようだ。右人差し指には大きなマメの跡があった。
最初と最後に苦手なタイプのコマが出てきて、優勝できなかったのは運命なんだと思う。まだまだ、攻めなければならないのかもしれない。
仕事をおろそかにしてきたつもりはないが、少し軸足を戻そうと思う。
【最後に】
「その2」にも書いたが、私の目的は、コマを通じて、開発手法や加工方法に興味を持ってもらい、それを会社のモチベーションアップにつなげること。私は、ミナロ緑川さんのようにカリスマ性もなく、プレゼンテーションもうまくない。今回の結果を報道がうまく伝えてくれれば、きっと興味を持ってくれると信じている。
今日1日で、この半年の出来事や想いを書かせてもらった。なんか、現実のことではなく、小説でも書いているような気分だった。読みにくいところもあったと思うが、ミナロ緑川さんをはじめ、たくさんの「いいね」をしていただき、うれしかった。
ねこパンチ2号の構想設計者と投げ手の立場から自由に書かせてもらった。詳細設計した宮下さん、加工してくれた小林さん、事務局の水出さん、人脈を広げてくれた藤森さんからも、Facebookへ投稿があると思う。
最後に、コマ大戦を企画運営してくれた心技隊の方々、SWCNメンバー、Facebookの友達、有休を使ってコマ大戦に参加しているのを知っていながら見逃してくれている職場のメンバー、そして、土日にはコマの実験や設計をしている父親をそっと見守ってくれている家族に感謝したい。
おわり
寄稿 中原 健司さま
ねこパンチ2号の動画

