Kiyoshi Kurokawa
about 3 months ago

日経朝刊の記事
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO66785240Z21C20A1TJC000

世界に誇るべき日本の宇宙政策の成果だ。宇宙関係ではいくつかの委員会がある。私も以前、委員会の一つに参加していたが、H2Aには強い思い出がある。それは失敗した第6号だ。
...
ご存じかもしれないが、このH2Aの6号は失敗、太平洋の海中に落ちた。私も関係の委員会の一人だったのだ。議論は原因の同定と対策、そして第7号の打ち上げを決めること、となる。

専門家はさすがで、「6号の失敗の原因には4つほどの可能性がある、そのあたりについてはしっかり入念にチェックしたので、第7号を打ち上げたい」という結論になったのだ。

委員の皆さんはなんとなく納得されていたようだったのだが、私は「まずは沈んでいる場所を同定する、何が何でも最大の努力で引き上げることをこころみるべし、」と強く主張した。どうしても「引き上げられない、というなら、それは致し方ないが、「できない理由」をはっきり説明すること、第7号打ち上げはそれからだ、と。

結局、第6号は引き上げられ、予測された可能性の一つがピッタリと当たっていたのだ。「大したものだ、」とねぎらったものだ。

それからしばらくは、委員長がいつも「黒川委員、何かご意見は?」と言ってくださるようになった。

それからのH2Aの成果は、この記事にあるとおり、1回の失敗だけで43回の成功という偉業を成し遂げたのだ。

ところでその後の話がまだあるのだ。

それはイーロンマスクのスペース計画だ。ブースターに一番お金がかかる。だからこれを回収して再度使うというのがイーロンらしい発想。その担当会社CEOの女性とお会いする機会での話。第1回目の打ち上げときの話、うまく打ち上げてブースターが発射パッドのほうに戻ってきたのだが、中心からちょっと外れて、パッドから海のほうにばったり倒れてしまった、というのだ。これは失敗だ。

だが、その時のみんなの反応は?一斉に「やったぜ!」だった、というのだ。これで残りの課題がわかった、というのだ。それからはすべて発射はうまくいっている、そしてブースターも回収して、再度使えている、と。

「失敗は成功のもと」、「失敗から学ぶ」。これを意味する格言は洋の東西を問わず、古くからあるよなのうだ。失敗からなにを学ぶか?これなのだ。知識はSiriに聞けばよい時代になっている。記憶知の時代ではなくなったのだね。賢さ、謙虚さ、賢さを学ぶことが大事なのだ。

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